GWのモデルルームは予約でいっぱい
物件の公式ページから予約を確認すると、この連休期間中はどこのモデルルームも大盛況。コロナも緊急事態宣言もまん延防止もあったもんじゃないですね。しかし、わざわざ混雑の中に出かけることもないので、こういう時こそ落ち着いて考えてみるのも良いでしょう。情報は集めるだけではなく、分析が重要ですよ!
みんな3件目くらいで決めるらしいよ…?
ところで、全体の60%の人はモデルルームを2~3件見た程度でわが家を決めるらしい。本当かよと思わんこともないですが、SUUMOの調査結果によるとこんな感じです。
物件を買わせたい不動産屋にとっては都合の良いデータであり、営業マンと話していると一度はこれに類似したデータを見せられます。ホラホラ、みんなスパッと決断してますよ? 早くしないと売れちゃいますよ? ってなもんですか。場合によっては、アンタに度胸がないから決められないんです。こういうときは男がリードしなきゃだめでしょう!とか叱責されることさえあります。
しかしね、決断のタイミングなんて人それぞれだよ。だいいち、ウン千万もする物件を人生懸けて買おうというときに、人に言われて決めるってのももったいないですねぇ。私なんぞ、いくら煽られようが罵倒されようがへっちゃらです。強靭な精神を備えておく方が、楽しく満足度の高い家探しができるものですよ。
ところでどんな家が欲しいんだっけ?
とはいえ、不動産屋の言わんとしていることも分からないわけではないのです。気になるモデルルームを片っ端から見ていくとどんどん目が肥えていきます。営業マンと積極的に会話できるようになれば、ライバルの弱点や将来性なんかもいくらでも喋ってくれます。するとまた、今までになかった視点が備わってきて、心の中の本命物件が色褪せて見えたり、まだ見ぬ新発表の物件にあらぬ期待を掛けたりするようになってしまうわけです。こうなると、グルグル回って何も買えず、ずっと賃貸にいるけどモヤモヤしちゃって…、とドツボにはまっていったりします。
思うに、惑わされがちなキーワードは「資産性」じゃないですかね。緑もいっぱい、買い物も便利で街の雰囲気もよさそう、部屋は広いし設備は上質だし、価格も何とか頑張れそう。よし! この物件を買――
ちょっと待った! その物件、駅徒歩13分ですね。10分以内、いやいや5分以内じゃないと将来の資産価値が危ういですよ!
え…っ、そ、そうですね。じゃあ、やっぱりコッチの駅近物件に…。
やめなさい、そんな矮小物件! 広い家、長閑な公園で子供たちをのびのび育てるのが目標だったでしょう?
そ、そうだ。こっちの家なら小学校も評判がいいし、子供たちも幸せになってくれる…。
おやおや。転勤、転職、人生どう転ぶか分かりませんよ? いつでも高く売れる家に住まうのが正しい選択じゃないですか。キャリアアップだって考えたいでしょう?
…なんか私、こういう商売をしている人生もあったかも知れん…。この辺りでやめておきましょう(><)
目が肥えてきた時こそ初心に帰って
最高の条件が揃ったマンションを買えるというのは本当に稀です。いや、絶対にないと言っていいくらいです。もしこだわりの条件をすべて満たせる物件があったとしたら、きっと価格が合わないはずです。
そんな時は初心に帰るしかありません。憧れの街に住みたい、便利な設備に囲まれて暮らしたい、広い家や庭が欲しい。自分が最もこだわりたいポイントを整理して、もう一度点数を付けてみましょう。その時、最上位の本命物件がまだ合格点に満たないようなら、見送って次に行けばよいと思います。
一点だけ、最近のリセール重視の傾向に反発する立場の人間の意見として言わせていただきます。「将来のことなど誰にも分かりません」という主張は事実なので、いざとなったら売ったり貸したりできるように、資産性の高い家に住みましょうというセールストークにも正しい面があります。しかし、もしその物件に満足していないなら、その資産性の高い家とやらに住むことは勧めません。将来売ることを想定して、今我慢して不便な家に住むことに何の価値があるんでしょうか。
だいたい、資産運用をしたいのなら、株式投資をはじめその他の金融商品でも良いわけです。何だってわが家をギャンブルの種にしなきゃならんのです? どうにもこう、誰も彼もが投資家にならないと損をするみたいな風潮があり、それも正しい部分があることは認めますが、不動産で儲けられるか否かという話と住みよいわが家を探すという話とは常に一致するとは限りません。まずは資産性云々よりも、自分が住んで満足する家を探すことの方が重要じゃないでしょうか。
私はこの思想でいつでも満足な家に住んできたと自負しています。目が肥えてきた時、もし迷路にはまり込んでしまったら、そこで初心に帰ることが自分の気持ちを確かめる良い機会になると思います。