はまりぶ式宝探し<1>マンションの値引きを勝ち取る交渉術

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新築マンションは値下げがない?

新築マンションの場合、基本的に値下げはありません。もしあるとしても、直接値引きせずに何らかのサービスを追加するのが普通です。これはどういうことでしょうか。

私の主張とは相反するようですが、新築マンションを値引きする会社はどこだ!?といった類の記事はちらほら見られます。中には、具体的な会社名も挙げて、A社は値引きありの会社、B社は値引きしない会社などと個別の考察が加えられている例もあります。

しかし、これは大いに疑問です。もし我々が購入者側であれば、値引きすると評判の会社からは定価で買う気にならなくなります。会社側も同様に、あの会社は簡単に値引きするという評判が立ったら、お客さん全員に値引きを迫られることになります。

別の側面では、マンションのオーナーは購入時に価格表を見ていますので、その物件の売値を良く知っています。ところが、ほとんど同じ時期に購入したはずの隣人が、自分と同等の間取りの部屋を数百万円も安い価格で買ったと知ったらどう思うでしょうか? 悩みに悩み、最後は自分を納得させて購入したはずの大事なわが家が、途端に高値掴みのカス物件だったような惨めな気持ちになるでしょう!

これは大変です。購入者も収まりがつかず、営業マンにはあらゆる罵声が飛んでくることは間違いありません。もちろん売主だって大いに評判を落とし、今後の商売に影響を来します。こんなリスクを背負って気軽に値引きをするなんて、ちょっと考えられませんね。

値引きの事例は確かにあるけど

とはいえ、現実には購入者との商談の席でこっそり値引く…どころか、公式ページで堂々と値下げを宣言している売主も中にはいます。最近、清々しいまでに値下げを宣言している売主を見つけましたので、ご参考までにお見せしましょう。

アドグランデ横浜港南台公式ページ
物件公式ページ(https://konandai127.com/index.html)より引用(21年3月)

こちらは東新住販さんが手掛ける総戸数127戸のアドグランデ横浜港南台です。2019年11月に竣工するもなかなか完売に至らず、大胆な値引きを打ち出しています。「最大550万円DOWN」の字面のインパクトが強烈ですが、販売中の住居は3,300万円台~4,800万円台ですから値引き幅の凄まじさが分かります。なるほど、こういう事例を見れば、皆さんが現在検討中の物件についても値引きを期待する気持ちが理解できます。

しかし、ちょっと待ってください。アドグランデ横浜港南台の場合、竣工後1年を経過していますので、既に「新築物件」の定義からは外れています。そのため、シビアに言えば「中古物件」ですので(通常は「未入居物件」という呼称が使われますが)、売主側には値下げの大義名分があります

さらに、この550万円DOWNの部屋がモデルルーム使用住居である点に注意してください。すなわち、当該部屋はモデルルームとして不特定多数の来場者を受け入れていますので、屋内の設備が痛んだり傷ついたりしている可能性があります(実際のところ、そんなに簡単に損傷しないのですが、一応そういうことにしておきます)。これもまた、値下げを正当化する理由になるわけです。

値引きを勝ち取るにはどうすればいいのか?

これまでの話の要点を掴めば、値引き戦略も自ずと明らかになります。すなわち、

  1. 新築物件では基本的に値下げは起こらない。
  2. 堂々と値引きをするには、売主側に値引きを正当化する理由が必要。
  3. 売主側と買主側の思惑が一致すれば、新築物件でも実質値下げに近いサービスの提供はあり得る。

上記の②はアドグランデ港南台が格好の例です。ここで注目すべきは③です。

新築物件でも、売主側が何とか買って欲しくなるシチュエーションとはどんな時でしょうか? 実に単純ですが、それはどうしても売りたい時です。つまり、期末の決算が迫っている、当該物件が間もなく竣工を迎える、買主が興味を示している部屋が不人気部屋である、といった場合にチャンスが到来します。

私が面会した大手デベロッパーの営業マンの中には、「ウチのように体力のある会社は売り急ぎませんから」というさすがのコメントを放った方もいらっしゃいますが、期末の決算の数字を意識したり、竣工後の完成在庫の解消を狙うなどして色を付けてくれる売主は確かにいます。また、半地下住居など販売が難しい部屋を希望する場合は、能動的に良い条件を引き出すことも可能です。

ただし、繰り返しますが、それは値引きではなく、実質値引きとでもいうような手法で行われると私は理解しています。たとえば、新築マンションを購入する場合、購入後には必ずオプション契約の話になります。このオプションの導入費用の面倒をみましょうと言ったような提案です。

念のためにオプションについて説明しますが、キッチンのテイストに合う食器棚を付けるか、食洗器を付けるか、水回りにコーティングをするか、アクセントクロスを貼るか、トイレや浴室の壁にエコカラットを導入するかと言った様々な選択肢があるものです。こうしたオプションを一つも付けないという方は稀なので、オプション料金の面倒を見て貰う=事実上の値引きという構図が成立するのです。

売主と買主、両者が満足するために

売主の状況次第では、営業マンはある程度大胆な提案をしてでも売りたいと思っている場合があります。もちろん、あなたが欲しい物件の場合にはこのチャンスに乗るべきですが、私としては買主側も勝ちすぎてはいけないと考えています。

売主側の営業マンとは、マンション購入後も付き合いが続きます。営業マンと良好な関係を築いておくことは、入居後のトラブル対応だったり、定期点検だったりと言ったシーンで必ず返ってくるものです。購入する瞬間だけを考えれば、最大限の提案を引き出すために営業マンをとことんいじめるのも一手ですが、あなたが良い提案を勝ち取る=営業マンが譲歩するという構図であることをお忘れなく。

営業マンも人間です。あまり負かしすぎると、あなたの良きパートナーになろうとは思わなくなります。お宝物件を手にするためには堂々と戦うべきですが、営業マンとの信頼関係を構築することもぜひ意識しておいてください。

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