新築マンションのオプションと相場

目次

オプション選択の基本

華やかなモデルルームとは異なり、売買契約を交わした部屋そのものは標準装備の設備しかありません。高級マンションでは最初から十分に便利でオシャレな設備が付いている場合もありますが、そうでない場合は必要に応じて追加発注することになります。この追加発注の対象となる設備がオプションです

前向きに考えれば、購入した部屋の設備が一から十まで決まっているよりも、生活スタイルに合わせてカスタマイズする余地があるのは好都合だとも言えます。たとえば、人気のオプションである食器棚は、通常は引き出しの数や大きさ、天板や引き戸の色や材質などをある程度のパターンから選択できるようになっています。棚の数が多いほうが使いやすい人もいますし、棚の数を減らしてでもゴミ箱スペースを設けたい人もいます。このようなニーズに対応してくれれば、購入した側もより満足度が高まるというものです。

新築マンションの場合、オプションの購入先の第一候補は、売主と提携している設備業者です。オプション相談会と称して買主を集め、家族ごとに設けられた時間枠の中でオプションの採否を決定します。高額なマンションを購入したばかりで舞い上がっている買主は、数万円~数十万円のオプションなど屁でもないかのような錯覚に陥りがちです(><) そのため、一昔前は設備業者もこれに便乗してセールストークの嵐。ひと家族ごとの時間枠が限られているため、ロクに考える時間もない中で次々とオプションを契約させる悪質なケースも発生していました

ところが、最近はコンプラの問題もあり、一昔前のような強引な営業はなくなっています。物件の売主を通じて前もってオプションの価格表を渡したり、カーテンや壁紙のサンプルを渡したりして顧客側がじっくり検討できるよう配慮されています。そもそも、売主の提携業者に発注すれば、入居前までに必要な作業を終わらせてくれるので、オプションが導入された快適な生活を入居後すぐに始めることができます。この絶大なメリットがある分、費用が割高になるのは致し方ないところ。とはいえ、あらかじめ相場を知っていれば、提携業者に依頼するオプションを絞るなどして費用を抑えられますので、本稿に情報をまとめてみました。

オプションの種類と価格

それでは早速、新居に導入できる典型的なオプションを相場とともにご紹介します。念のため、ここで言っている相場とは、売主と提携しているオプション業者から購入する場合の価格です。もちろん、提携業者ではない設備会社に発注することもできますので、費用を抑えたい方は相見積を取ることをお勧めします。

食器棚

人気No. 1のオプションはこれ、食器棚だと思います。提携業者に頼むメリットは、入居までに設置してくれることと、キッチンと色柄を合わせてくれることです。右側の写真が分かりやすいですが、キッチンと食器棚のデザインが同じなので、統一感があって素敵ですね!

提携業者に依頼する場合のお値段は、吊戸棚と下台の上下セットで40万円~50万円ほどです。ううむ、値が張る。しかし、これは他のオプションを諦めてでも入れることをお勧めします。キッチンのデザインがぐっと良くなりますので。引き出しのみのもの、炊飯器を置くスライド台が付いたもの、ダストボックス用のスペースを設けたものなど、複数のパターンが用意されているのが一般的です。

食器棚
食器棚の例(左の写真は吊戸棚と下台のセット)

アクセントクロス

賃貸物件との大きな違いはアクセントクロス(壁紙)です。私はエコカラットもこのカテゴリーに入ると認識しています。イメージが湧くよう、以下に写真を入れてみました。標準ではデザイン性のない白い壁紙が一般的ですが、アクセントクロスが入ると個性的な寝室や子供部屋を演出できますね!

明るい部屋と家具
アクセントクロスの例

アクセントクロスのメーカはサンゲツが有名です。気になるアクセントクロスのサンプルを無料で配送してくれるので、導入したい場合はサンプル請求をしてみると良いと思います。

アクセントクロスは部屋全体ではなく、壁や天井の1面単位で施工できます。気になるお値段ですが、売主の提携業者に任せる場合、壁1面(5 m2以内)で4万円~5万円程度です。ハイグレードなアクセントクロスを選択するともっと値が張ります。

また、調湿機能が人気のエコカラットを導入する場合は、壁1面で10万円~20万円ほどかかります。エコカラットは値段がすごいので、世間の評判も参考にしましょう。私は予算がないので今まで導入したことはありませんが…。

照明器具

大抵の提携業者は、パナソニックやオーデリックなどの有名企業の照明器具を一通り取り扱っています。リビングや洋室の各部屋にテイストを合わせた照明器具を導入したい場合に便利なセット販売のプランもあります。反対に、現在の住まいから照明を移設する場合は、1個単位で照明器具を買うことも可能です。

提携業者に任せる場合の相場は、各社のカタログ価格の30%~40%OFF程度です。一見安そうですが、実際には家電量販店で買い揃える方が経済的です。ただし、家電量販店で購入すると照明器具を自分で付ける必要があるので、その手間はかかります。提携業者に任せるなら、入居前に照明器具を付けておいてくれます。

エアコン

エアコンも照明器具と同様、ダイキン、パナソニック、三菱電機、日立、シャープなどの有名企業の最新モデルを取り扱っています。こちらも各社のカタログ価格の30%~40%OFF程度が目安です。価格的に中間程度のよく買われるモデルであれば、値引き率がさらに良い場合もあります。

提携業者に任せれば、入居前に工事を完了してくれます。さらに、先行配管など特殊仕様の部屋があっても、売主から正確な情報を貰っているため適切なエアコンを選定してくれます。もちろん、家電量販店ではさらに安く買えますが、入居日以降でないと工事ができませんし、知識のない販売員から購入すると、エアコンを設置できなくなる場合があります。具体例を挙げれば、先行配管の場合、配管径の関係でダイキンの最上位モデルなど一部のエアコンを設置できないことがあります。

ハンズフリーキー

このオプションを導入できるかは物件によりますが、玄関の扉をハンズフリー対応にするもので、「Raccess(ラクセス)キー」や「Tebra(テブラ)キー」などの商品名で売られているものです。赤ちゃんを抱えていたり両手が荷物で塞がっていたりするシーンはいくらでもあり得ますが、自宅の扉がハンズフリーになっていれば鍵を探してポケットや鞄を探る必要もなく簡単に入室できます。これは間違いなくお勧めできるオプションです!

物件により導入の可否が変わりますので、ご興味があれば物件の売主にお尋ねください。なお、提携業者に頼む場合の費用は5万円~10万円程度です。

フロアコーティング

ここから徐々に悩ましいオプションが登場してきます。フロアコーティングは、せっかく購入した新居のフローリングを綺麗な状態に保ちたいという心理に訴えかけてきます。最近の新築マンションは、そもそも耐久性の高いフローリング材を使っているので、コーティングなんて不要ですよと売主の営業マンがアドバイスしてくれる場合もあります。実際、私もそのように言われて見送ったことがありますが、同様のアドバイスを受けても導入に踏み切る方も少なくないようです。

フロアコーティング
フロアコーティングの例

提携業者に頼む場合の費用は、リビングと洋室すべてに施工する場合、70 m2の間取りでは30万円ほどかかります。より広い間取りの部屋では値段が上がります。もちろん、リビングのみ、特定の洋室のみに施工することもできます。こちらの方が費用は抑えられますね。

水回りコーティング

キッチン、浴室、洗面台の各所に防汚・防カビ機能を謳うコーティングを行います。コーティングした箇所は目視では分からないので、悪質な業者はまともにコーティングしてくれないんじゃないかと疑わしくなります。

費用の関係で最初は見送るつもりでも、旧居の浴室や洗面台の汚れ具合を思い浮かべると気持ちが導入に傾いてきます。施工する場合は、どの箇所にどういうコーティングをして、どういう機能があるのか、どの程度耐用年数があるかしっかり確認しましょう。

提携業者に任せる場合の費用は、キッチン、浴室、洗面所の3点セットで12万円~15万円くらいですかね。

浴室ミラーフィルム

ミラークリアフィルム、バスミラーフィルムなどの名前で売られているものです。最近の浴室の鏡は汚れに強い加工が施されていますが、それでも手入れが悪いと水垢が付着します。そこで、特殊なミラーフィルムを塗布することでにより、こうしたトラブルを軽減するという触れ込みの商品です。

提携業者に任せる場合の費用は5万円程度ですが、これはあまりお勧めしません。5万円も出して鏡をコーティングするのですから、お手入れ一切不要!くらいは言って欲しい。しかし、この手の商品は「汚れが付きにくくなる効果がある」という次元に留まるので、結局は掃除をする手間から逃れられません。

浴室ミラーの掃除なんて極めて簡単で、表面を水で流してから水切りワイパーで拭うだけ。サボらずにやれば10年でも綺麗な状態をキープできます。それでも金を掛けてコーティングするのかって話だと思うのですが。

土間コーティング

玄関のタイルが汚れにくくなる、水が浸透しにくくなるなどの効果を謳うコーティングです。日頃から玄関の掃除をしている人は関心があるオプションになりますね。

提携業者に任せる場合の費用は、4万円~5万円程度です。

ガラスフィルム

遮熱効果、UVカット、飛散防止、虫の飛来減少など、さまざまな機能を謳うフィルムが販売されています。遮熱やUVカットはカーテンでも同じような機能がありますが、後二者はガラスフィルム特有の機能ですね。万が一ガラスが割れた場合の飛散防止効果は分かりやすいです。

虫の飛来減少効果ですが、字面はすごいのですが評価が難しいですね。この機能は、虫が好む紫外光をガラスフィルムで遮蔽することにより走光性の虫の寄りつきを防止するらしいのですが、網戸で生活したい人は窓を開け放っているのでフィルムの効果が薄いはずだし、窓を閉め切っている人はそもそも虫に悩まされないような気もします…。

ともかく、提携業者に任せる場合の費用は、窓の大きさやガラスフィルムにより大幅に変わります。リビングの大きな窓に高機能のガラスフィルムを入れようとすると、20万円ほどかかる場合もあります。機能性の低いフィルムなら半額程度で済む場合もあります。

バルコニータイル

バルコニーをオシャレなタイル仕様に変更できます。が、高いし、あまり利用しないバルコニーをオシャレ仕様にしてどうするっていう話もあって導入はなかなか厳しいですね…。

一応目安を書きますが、提携業者に任せる場合は30万円~40万円程度です。面積の広いルーフバルコニーに施工する場合は平気で100万円以上します。いずれも、施工する部分の広さ次第ではもっと値が張ります。

その他のオプション

まだいくらでも例があるのですが、数が多いので項目だけ挙げさせていただきます。

  • オーダーカーテン
  • オーダーミラー
  • オーダー家具(壁面収納、TVボード、デスク、カウンター収納etc.)
  • 飾り棚
  • ピクチャーレール
  • ドアキャッチャー
  • 玄関やトイレの手すり
  • 換気扇フィルター
  • ネームプレート(表札)

オプション選択のポイント

予算が無限にあればオプションを好き放題導入すれば良いのですが、限られた予算で満足度の高いオプションを導入しようと思えば候補を絞っていく必要があります。

文句なくお勧めできるのは食器棚です。明らかに必要ですし、キッチンの統一感が出て美しくなります。次いで、新居の快適性に影響を与える防カビなどの効果を優先して検討すべきと考えます。物件によっては導入が難しいのですが、ハンズフリーキーもぜひ候補に加えたいオプションです。

予算があれば賃貸物件とはっきり差別化できるアクセントクロスも魅力的ですが、コチラは入居後でも施工できますし、あまり奇抜なデザインにすると部屋の雰囲気を変えることが難しくなります。それよりは壁紙を標準のままにしておき、カーテンやその他のインテリアで差をつけるのも一案ですね。

フロアコーティングは、物件に耐久性の高いフローリング材が使われているなら見送っても良いと思います。売主の営業マンがいらないと言っている物をあえて導入しなくても良いのではないでしょうか。心配なら、営業マンに確認しても良いでしょう。良い営業マンであれば、闇雲にオプションを増やして提携業者に小銭を稼がせるよりも、今後長い付き合いになる買主に有益な提案をしてくれるのではないかと思います。

オプションの発注時期に関する注意点

蛇足ですが、オプション選択の範囲は、物件を購入した時期に影響されます。これまでに挙げたオプションは、概ね物件の購入時期によらず導入できますが、物件の購入時期が遅いと導入不可能になるオプションもあります。ご参考までに、いくつか例をお示しします。

購入時期により選択できなくなるオプションの例
  1. 間取りの変更(例:4LDKの部屋を3LDKに変更)
  2. 扉、フローリング、キッチン天板などのカラーセレクト
  3. リビングなどのシーリングライトをダウンライトに変更
  4. コンセントの増設

①をオプションの括りに入れるのはいささか強引な気もしますが、早期購入者特典の典型例です。たとえば、4LDKの間取りで売り出された部屋に3LDKの選択肢が用意されている場合、買主の好みに合わせて間取りを変更できるサービスです。なるほど、竣工後に間取りを変えようとすると高額なリフォーム工事が必要になるため、ある程度建設工事が進むと選択できなくなるのもやむを得ません。

②は室内の雰囲気に大きく影響するカラーセレクトです。これも早い時期に購入した方はいくつかのバリエーションから選択できますが、物件の販売が進むと、より人気のあるカラーがはっきりしてきます。販売中も物件の工事が進んでいるので、いつまでもカラーセレクトのオプションを維持するのは現実的ではなく、売主側で未契約の部屋を人気のカラーで統一するなどの対応を取ります。そのため、こちらも購入時期によっては選択できないオプションとなります。

③や④のオプションは有償対応ですが、配線工事が必要になるため、やはり竣工間近の時期では対応できなくなります。

横浜を愛するみなさまに届けー!
目次
閉じる